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10月3日
翌朝、由宇が目覚めるとベッドに座り煙の機械から出る煙を吸っている臣が目に入った
その背を椅子に座って撫でているのは若い知らない看護師?
誰だろ?
「大雅、もうよかよ。実習ば遅れちゃう」
「まだ大丈夫。せっかく誕生日なんだし、もう少しいさせてよ。夕方、来れるか分かんないし。おめでとう」
「病院で誕生日迎えても嬉しくなか」
「今年は一時外泊とか取らなかったんだ?」
「喘息に急になったけん、申請するだけ無駄ばい」
「すれてんなぁ…貫禄感じる」
「成人式までには退院したか…あ!由宇、起きたと?おはよう」
「そいつ誰?」
「涼木大雅」
「すずきたいが?」
「俺の幼馴染。今日俺が誕生日やけん特別に面会しとると」
「誕生日…そっか。臣は今日なんだ。俺、来週。おめでとう」
「来週?」
「うん。10月10日。とっくに退院してるはずだったのにどうやら病院で誕生日みたい。なんか複雑」
「よく分かるばい」
「臣、この子は?」
「佐久間由宇くん。お医者さんに将来なる子たい」
「頭いいんだ?」
「よくはないかも…挑戦するのは自由だし。浪人覚悟でやるよ」
「すごいじゃん。ガッツあるんだ。いつか一緒に働けるといいな」
「大雅さんはなんで看護師?」
「看護師のが患者さんに直接お世話できるから。あと、体力と力はあるからそっちで役に立てそうかなって」
「試験、頑張ってね」
「ありがとう。じゃ、実習行ってくる。またな」
「行ってらっしゃい大雅!がんばるとよ」
大雅がいなくなると由宇は臣のほっぺに唇を付けた
「おめでとう」
「へへ…照れると」
コンコンー
「イチャイチャしてるとこ悪いけど、由宇くん朝ごはんね。無理しないでいいから少しずつね」
奈南が由宇に食事を持ってくると由宇は食べ始め、1日が始まった
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