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ステント留置
「抱っこ……?えと、瀬谷先生?」
佐渡が対応に困っていると、瀬谷は優しい表情を浮かべ
「してあげてくれるかい?」
「分かり…ました」
佐渡は由宇をひょいっと抱き上げると
「軽いな…高校生」
軽さに驚き、瀬谷が点滴を持ち上げると歩きだした
「こんな子ども扱いいいんでしょうか?」
「それで頑張れるならそれでいい」
「ね、佐渡先生!俺が医者になった時、今日のこといじんないでよ?」
「分かった、由宇くん」
「瀬谷先生もだかんね!」
「おや?俺には由宇が医者になろうがならまいがかわいいままだからなんとも…」
「退院したら忘れて!」
「通院してくれないと困るよ、由宇」
「通院はする。でもいじられんのはやだ」
「大丈夫。いじりはしない。さぁ、お話はここまでにして椅子に座ったらカテーテルを抜いて麻酔ゼリーを入れよう」
「うん…」
やるって決めたけど…怖いな
「由宇くん、椅子が動くから動かないでね」
「…っ」
やっぱりこれ、恥ずいっ
由宇が羞恥に顔を背けていると扉が開き、周防が入ってきた。
「遅なりました」
「うわっ周防さん見ないで!」
「ん?由宇くん、今更やで?由宇くんの恥ずかしいとこはすでに全部もう見てんねんから恥ずかしがらんでええって」
「でもー」
「はいはい由宇。恥ずかしいね。周防、カテーテル抜くからシリンジいいかい?」
「了解」
「ねぇ、これじゃないとダメなの?」
「怖いかい?」
「恥ずかしい!」
「そうだね、でも安全に処置するためだから我慢。じゃ、カテーテル抜くよ。息を長く吐いて」
「ふーーー」
痛い…ツンとするこの感触…もう何回もやってんのに慣れないや
「よーし…抜けたよ。騒がずやれたじゃないか由宇、偉いぞ」
瀬谷は由宇の頭を撫で、道具の載った台を反対の手で指差し
「佐渡先生、麻酔ゼリー入れてペニスクレンメね。そしたらタオルかけてあげて10分くらい待つ」
「はい」
佐渡は指示通りに動き、瀬谷は由宇が不安がらないように頭を撫で続けた
「佐渡先生、ジアゼパムやっぱり使っておこうか」
「ほんならモニター用意しますね、先生」
「頼むよ」
周防はモニターの支度をはじめ、由宇はドキドキとしながらされるがままになっていた
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