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10月7日サプライズ

翌日、臣と由宇は仲良く手を繋いで寝ていた。 気持ちよく眠っているところを夜勤明けの奈南に起こされ2人は不機嫌だった 「由宇くん、臣くんおはよう」 「やぁ…まだ眠かよ……」 「後、5分〜…」 「だぁめ。ほら、2人とも行くよ。今日からデイルームに出てまたみんなとご飯するんだよ。待ってるから、急ごう」 「俺はよかよ。待っとるけん」 「だめ。臣くんご飯は食べれないけど行くんだよ。さ、由宇くんは車椅子乗るよ、はい抱っこ」 「車椅子…退院目安ついたのに……なんかやだな」 「はいはい。まだちょっとお熱あるから我慢ね。目安はついたけど調子良くならないとね。焦らない焦らない、はいおいで〜」 「うー…恥ずかしい」 由宇は恥ずかしながら奈南に抱きつき、車椅子に乗せてもらった。 その様子を臣がデレデレと見つめ 「由宇、照れとるとね?可愛いか〜」 「臣…なんか喜んでない?」 「気のせいばい」 「2人本当仲良しだね。見てて微笑ましいよ」 車椅子が動きはじめ、しばらくするとデイルームの方からザワザワと人の気配がしてきた 「お待たせー主役たちを連れてきたよ〜」 「え?なんね?これ」 「happy birthday臣&由宇って…」 吊り下げられた表示を見て2人は驚いた。 「臣はこの間の3日、由宇は少し先だけど10日。それぞれおめでとう。看護師さんたちが企画してくれた会だよ。短い時間だけど楽しんでいってくれるかい?」 「瀬谷先生…嬉しか。ねぇ、由宇」 「え…あ、うん…何がなんだか、、びっくりすぎて…こんなの聞いてないし」 「サプライズらしいからね」 パシャー 驚く2人を祖父江が写真に撮り、2人に向かい優しい表情を浮かべた 「祖父江先生…ありがと。俺…俺、どうしたらよか?泣きそうやけん」 「泣いていいよ。そこに座ってね」 真尾がキーボードのそばで答えた。 見ると牟呂がマイク。奈南がギターを持ち 周防がドラムの調整をしていた。 「みんな昔、それぞれバンドをやっててね。久々だからあまりいい出来じゃないけど聴いてくれると嬉しいな」 「うん」 由宇と臣は顔を見合わせて頷いた。 「ほんなら行くで〜1.2.3〜🎵」 周防の合図で演奏が始まり、サプライズパーティーが始まった

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