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治療頑張るぞ
始まる前から泣きそうになっていた臣は嬉しさにかん極まり、ポロポロと泣いていた。
その様子を見て祖父江は
「可愛いらしいな…瀬谷」
瀬谷に呟いた。
「ああ。由宇は由宇で驚きすぎて固まってるね。2人とも反応が可愛いね。やってよかったよ。これから恒例になるといいね。つまらない入院も少しは楽しくなる」
「だな。小児科でお祝いカードとか写真くらいらしていたがここまでのは無いから、いい思い出になる」
朝ご飯を兼ねたパーティーはしばらく続き、由宇が疲れを見せ始めたころ幕を閉じた。
「由宇くん大丈夫?病み上がりだから疲れちゃったね。周防、送れる?」
「はい、任せといて下さい」
「あー、ちょっと待った。周防、そのまま処置1へ誘導いいかい?」
「へ?治療する気なん?可哀想に…」
「大丈夫。治療、頑張るよ俺」
「えらい!由宇くんっよー言った。側におったるし手ぇ繋いだるで頑張ろな」
「うん。頑張る…けど、たぶん泣いちゃう」
「そしたら拭いたるで。で、終わったらいっぱい慰めたるでな。せやから頑張りぃ」
「うん」
由宇は頷き、ドキドキしながら処置1へと運ばれていった
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