510 / 1217

甘々治療からなんで、導尿っ 2

「じゃあ由宇、始めていこうか」 「うん…」 由宇は祖父江の右腕を甘えながら掴み、瀬谷から処置を受ける体勢をとった。 消毒はやっぱり嫌いだ… 「痛い…」 「大丈夫、ただの消毒」 「分かってる。分かってるけど痛い気がする」 「見るな」 祖父江は掴まれていない方の手で由宇の目を覆い、処置風景を見えないようにした 「見えないの怖いんですけど…」 「はいはい、大丈夫大丈夫」 「手ー、離して。祖父江先生」 「だめ。ほら、怖くない怖くない。息吐いて…ふー。はい、やって」 「んーっ…ふー」 「そう、うまいうまい。続けて」 「ふー」 瀬谷は祖父江が由宇に話しかけているうちに導尿をしていき、祖父江はそれを見て尋ねた 「瀬谷、どう?」 「うん、上々だ。しかし、やっぱり…尿量少ないからトイレに行っても出なかったろうね」 「由宇、ほうら言ったとおりだ。納得できたか?」 祖父江は由宇の目から手を離し、瀬谷が持っている尿瓶を指差した 「え?…終わったの?」 「うまく力が抜けていたし、ステントで拡がっているから今までに比べたらあまり辛くなかったろ?」 「うん…でも、本当におしっこしたいって思った。嘘じゃないよ先生」 由宇は振り返って祖父江に抱きつき、弁解した 「大丈夫。怒ってないから、よしよし」 「あはは。由宇、祖父江が好きなのかい?必死になって弁解して可愛いな」 「ち…違っ!」 「違うのかい?」 「違わないこともないけど…あーっ恥ずかしいから放っておいてっ」 「まだ治療途中だから。そのまま祖父江に抱っこされてなさい」 瀬谷は穏やかに言うと、エネマグラを手にした

ともだちにシェアしよう!