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学生…?
ぐったりしている由宇に病衣を着せ、瀬谷は両手を差し伸べ
「おいで。運んであげよう」
「瀬谷先生…だいすき」
差し伸べられた両手に由宇は幸せそうに笑顔を浮かべ手を伸ばした
その手をとり瀬谷は由宇を横に抱き上げ
「行こうか?」
「うん」
「終わると素直だな、由宇」
「祖父江先生すきだけどいじわるだからやだ」
「すきはすきなのな?ならもっと甘えてこい。来週は学生が来る。甘えれるタイプの子じゃないから覚悟しといた方がいい」
「ええ、学生なのにそんないかついの?」
「いかついというかあれは気難しい…って言うのかな?間違ったことは言っていないが時に辛辣な言い方をしたりするから」
「あまり度が過ぎるようならちょっと指導が必要だな」
「任せるよ」
「任せるな。局長はおまえだ、瀬谷」
「あまり得意じゃないんだよ、学生指導は」
「ったく…そうやってすぐ面倒なことから逃げる」
長くなりそう…と感じた由宇は瀬谷のことを突っつき
「先生、早く帰りたい」
「ああ、そうだったね?すまない」
由宇にせっつかれて瀬谷と祖父江は歩き出しリカバリーへと由宇を運んだ。
学生…が気になる由宇だったが
体が限界ヘロヘロで1秒でも早く由宇は休みたくて考えるのをやめ、瀬谷の腕の中でうつらうつらと船をこぎ、リカバリーへ着くころにはスースーと寝息を立てて眠りに落ちた
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