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迷子の7歳未羽
「う〜…しんどい」
「由宇、大丈夫?」
「平熱38度かよってくらい熱がここんとこ出て辛い…でも、外に出たい…ずっとベッドは飽きた」
「先生に駄目元でお願いばしてみる?」
「絶対怒られんじゃん」
「でも、聞いてみなきゃ分からんとよ?先生からは言ってくれんけんね」
2人で話しているとちょうどタイミングよく瀬谷と紫藤が現れた
「由宇くん、臣くんこんにちは」
「由宇、調子はどうだい?」
「熱でしんどい。でも、気晴らしに臣とお散歩エリア行きたい」
「うーん…そうか」
「由宇くん寝ていないと…」
「紫藤先生、付き添ってあげれるかい?車椅子で短時間ならいいよ」
「え…わ、分かりました。ですが、悪化しないでしょうか?」
「本人の気持ちも尊重したいからね」
「なるほど…」
瀬谷の許可を得て3人はお散歩エリアに来た
「んーっやっぱり、お散歩最高」
「それはよかったですね」
嬉しそうな由宇の姿に紫藤は微笑んだ
「あ!先生のその顔、よかね。もっと見たかよ。後実習少しだけん、仲良うしたか」
「あんまり得意じゃないんですが…分かりました。善処します」
「先生っ臣と2人で噴水のとこ行っていい?」
「え…少しだけにしてくださいます?何かあると責任とれない」
「分かっとるばーい。由宇、行こ!」
臣は由宇の車椅子を押し、紫藤から離れると噴水へと向かった。
噴水まで来ると2人は笑いあった
「ここまで脱走して大変な目にあったよな」
「そうだったばい。あそこのベンチに由宇が倒れちゃって…あ」
「どうした?」
「あの子泣いとるとよ?」
臣が駆け寄るとますます泣き出し
「えーん」
「ど、どげんしたとね」
「ママいない」
「迷子ね?ぼく、お名前は?いくつ?」
「みわ。7歳…」
「おいで」
臣が手を差し出すとみわは泣きながらその手を握り臣に付いていった
「由宇、この子みわくんって言うそうばい。迷子やけん。どうしよう」
「どうしようって言われても…とりあえず俺の膝に乗せて紫藤先生んとこ帰ろ」
「うん。みわくん、こっちのお兄ちゃんのお膝に乗れると?」
「わかった」
2人はみわを車椅子に乗せると紫藤の元へと急いだ
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