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迷子の7歳未羽 2

紫藤が2人の戻りを待っていると、由宇の膝の上に男の子が乗っていて紫藤は驚き 「え?2人ともどっからその子拾ってきたんです!?拾ってくるだけならまだしも由宇くん体調悪いのになんで乗せてきてるんですか!」 慌ててみわの両脇に手をいれ、そのまま垂直に持ち上げた 「拾って…って。猫ちゃんワンちゃんじゃなかよ?迷子たい。しかもそんな抱き方…」 「迷子…ですか」 「7歳でみわくんって言うとよ。先生、どうしたらよか?」 「どうしたら…って……そんなこと言われても…ねぇ」 「…っぅ…ひく…こわい」 みわは足を宙ぶらりんにされて怯え 「みわくん、大丈夫やけんね。先生!そんな宙ぶらりんにしちゃダメっ。ちゃんとおしり支えてあげて体と体密着させなきゃみわくんが怖か思いするとよ」 「え…あ、はい。すみません」 紫藤は慌ててみわの体を抱き直し 「しかし…どうしたら…小さい子の扱い方はよく分かりません」 「小児科実習行っとらんと?」 「まだ…ですが」 「先生、子ども苦手とね?んー…それは苦労ばするかも」 「う…。それまでになんとかします。とりあえずは…受付に行きましょう。迷子放送でもかけてもらえばいいかと」 「ママ、あえる?」 「えと…それは…」 「あえない…っ?えーん」 泣くみわを由宇は励まし 「大丈夫だって!絶対会える。それよりみぃみぃ泣いてるとみぃって呼ぶよ?みわくん」 「やだ。ぼく、ねこじゃないよ?」 「じゃあほら泣き止んで」 「うん」 泣き止んだみわを連れて、由宇たちは受付へと向かった

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