523 / 1217
迷子の7歳未羽 3
「お迷子さまのお知らせをします。みわくんとおっしゃる7歳のお子さまをお預かりしています。お心当たりの方は1階総合受付までお越しくださいませ」
受付で放送をかけてもらうと由宇たちは、受付の椅子に座りみわのママが来るのを待った。
しばらくすると、、
「未羽…っ、探したよ!突然いなくなっちゃうんだもの」
「ママーっ」
みわは紫藤から離れ、ママに駆け寄り抱きつき再び泣き出した
「わーん」
「ごめんね、未羽。怖かったよね?あの…」
ママは由宇たちに頭を下げ
「遠野と言います。息子を見つけていただいてありがとうございました」
「みわくんよかったね?ママ、会えたね」
「うん。おにいちゃんありがと」
「もう迷子になったらいかんとよ?」
「かわいいしゃべりかたのおにいちゃんもありがと」
みわがお礼を言うと紫藤は立ち上がり
「じゃあ、戻りましょうか?瀬谷先生が心配されます」
「せんせ…っ」
ママから離れて立ち上がった紫藤に未羽は抱きつき
「え……」
紫藤は、突然の予想していない未羽の行動に驚きつつも、そっと抱き返し
「どうしました?」
「抱っこありがと。こわがってごめんね」
言い終わるとママの方に駆け戻り、ママとみわは帰っていった
紫藤はなんともいえないあたたかな気持ちに包まれながら2人を見送った。
ともだちにシェアしよう!