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由宇 退院前日

迷子のみわと出会ってから数日で由宇の体調も回復し、いよいよ退院前日になった。 「結局、由宇くんリカバリーから出んまんま退院前日になってもうたな、しー先輩」 「臣くんも由宇くんもお互いに一緒にいたがるから仕方ないね。明日の夜の臣くんが心配だよ」 「夜勤やなくてよかったぁ。奈南先輩がんばれやな」 「雅宗…それ、先輩に聞かれたら怒られるよ?」 「せやな?ここにいたらとても言えんわ〜」 周防と牟呂が話しているとしばらくして、トントンと叩く音がした 「看護師さーん」 「ん?あ、まーちゃんやん、どうしたん?」 「ゆっくんに会いにきましたー」 「そっかそっか。いいよ、おいでおいで」 「由宇くん喜ぶで!でも、長いことはおったらあかんで?由宇くん体調悪なったら困るで」 「うん。分かった」 真白は周防と牟呂に案内されて、リカバリーへと入り 「ゆっくん、おみくんっ。こんにちは」 「まーちゃん!来てくれたとね?」 「うん。ゆっくん、おうちに帰るって聞いたから」 「ありがとう、まーちゃん。まーちゃんも早く帰れるといいな」 「うんっ」 「まーちゃん、明日の夜さちょっと会いにきてほしかよ。まだここから出れんけん、由宇がいなくなったら寂しか」 「いいよ!でも、なんででちゃダメなの?」 「血液検査の数字が安定しないのと、お腹の音が弱いのといろいろだって」 「なんかむつかしくてよく分からないけど、いろいろあるんだね」 「そうらしいばい。祖父江先生、心配性みたいやけん慎重なんだと思うとよ」 「なんだかんだで祖父江先生…いい先生だったな。最初は般若みたいなんて思ったけどさ。瀬谷先生にはこれからも通院で会うだろうけど、祖父江先生にはもう会わないのかーって思うとちょっと寂しいかもしんない」 「祖父江先生に直接言ったらよかよ?喜ぶと思うばい」 「やだよ。恥ずかしいし」 3人はしばらく会話をし、一通り話し終えると真白は立ち上がり 「明日、ばいばいしにくるね」 「ありがとう、嬉しい」 「またね!」 手を振り自分の部屋へと帰った。 真白が帰った後、由宇は本当に退院すんだ…俺。と、心の中で思い涙を浮かべた。 「由宇?」 「あ…いや、なんか目にゴミが…」 「今度、由宇のがここに来るときは医大生さんやね?それまでには俺も退院しとると思うけん。また会おうね。約束」 「うん、約束」 2人は向かいあい固く手を握りあった

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