533 / 1217
宵さん、号泣の治療 2
「は?え…部屋移動って…病室じゃない?何…する気なの?」
真尾は移動させられて怯えながら祖父江を見上げた
「宵…ここどこだか分かるか?」
真尾は左右を見
「ない…し、きょう…室?」
「そう。なら分かるな?」
「……」
真尾は状況を把握し、震えた。
「え…ちょ、待って。ここに来なきゃいけないサイズだったの?いや…できないです。無理だよ」
「残念ながらさっきも言ったとおり石が育ちすぎてる。逃れられないのは理解できるよな?宵」
「…っ」
ガタっー
「帰るっ」
真尾は椅子から降りて立ち上がり早歩きで出口へと向かった
「えー…ちょ、師長さんっ落ち着いて?」
慌てて由宇は真尾の両肩を掴み、真尾を制止しようとし
「石、とってもらわなきゃ治らないよ」
「由宇くん離してっ」
「ごめんなさいっ。離せないです」
「きみなら分かるでしょ!どんなにイヤか」
「分かるけど…痛いまんまもイヤじゃん」
「離して!」
揉める2人を見て瀬谷と祖父江が顔を見合わせ
「困ったね…予想以上だ。まだ始まってもないんだけどな」
「すまない。ああなると手がつけられん」
「いやぁー…はぁはぁはぁ…苦し…っ」
「師長さんっ過呼吸?ふ、袋…っ」
慌てて袋を探す由宇の横を祖父江が走り寄り、真尾の唇を唇で塞いだ
「せ、瀬谷先生?あれって有り?」
「いや、一般的じゃないな」
「2人ってその…」
「由宇の想像する通りだよ」
「知らなかった…そうかな?と思ったこともあるけど、目の前で見ると納得。えーと、、これからどうする感じ?」
「予定通り麻酔して治療する予定だが…椅子にじっと座っててくれるかどうか」
「じっと…って、、俺なら無理だな」
しばらくして真尾の呼吸が落ち着くと、祖父江は真尾を抱き上げて処置椅子に再度座らせた。
「実継さん…」
真尾は不安そうに祖父江を見つめ、祖父江は真尾の額に口付け
「宵、おまえが拘束されるのを嫌っているのは分かっているが、足を固定させてほしい」
「固定…」
「そう。足だけな?手は俺が握ってるから」
「イヤだって言ってもするんでしょ?分かった」
「いい子だ、宵。佐久間先生?拘束ベルトの付け方分かるか?」
祖父江は由宇に話を振り、呼ばれた由宇は左右に首を振った
ともだちにシェアしよう!