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宵さん、再発 5
「宵、車椅子に移る前に服を替えよう」
「イヤ」
祖父江の口付けで少し機嫌を直した真尾だったが、ぷいっと横を向き拒否を示した
「なんで嫌がる?」
「イヤなものはイヤ」
「無理矢理着替えさせることになるがいいのか?宵」
「向こうに行ってからでいい。まだ脱ぎたくない」
「そんなこと言っていざ向こうについたら着替え、できないだろう?ごねるのが想像つく」
「…怖い……」
「分かってるから。側についてる。瀬谷たちが待ってるから脱がせるぞ」
祖父江が真尾の服に手をかけると真尾は暴れた
「イヤぁ!」
「宵っ」
「…っひく……ぅぇ…ん…ぅ…ぅ」
「泣くなよ…宵」
真尾の体を起こし祖父江はぎゅっときつく抱きしめ
「無理矢理しようとして悪かった」
「…っぅ…」
「着替える気になるまで待つから、そうしたら着替えよう?」
「待たなくていい…着替える」
「いい子だ」
真尾はようやく着替える気になって、祖父江に手伝ってもらって病衣に着替えた
「パンツ脱がせるぞ?」
「後じゃダメ?恥ずかしいです…」
「脱がなきゃ治療ができない。その中身に用事があるんだから脱いでおこうな。向こうで瀬谷に脱がされるのも恥ずかしいだろう?違うか?」
「違わない…ですね」
「車椅子についでに移るから立って」
祖父江は真尾を立たせパンツを下げると車椅子に座らせ、パンツを真尾の足から取った
「よし、できた。行くぞ」
「…うん」
「すっかりぐったりだな?暴れるから」
苦笑しながら祖父江は車椅子を押し、内視鏡室へと向かった
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