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宵さん、実継さんに甘える

だいぶ穏やかな表情になった真尾を見て祖父江は、真尾の頭の上に手を置いた 「少しは落ち着いたか?」 「はい実継さん…なんだか疲れました」 「そうだな?いっぱい泣いたもんな、宵」 「だって…痛かったんだもの…まだちんちんが痛いです」 「そんなに痛かったか?」 「痛かったです。よしよししてください」 「よしよし」 「…もっと」 「宵の甘えん坊…よしよし」 真尾は祖父江の胸元に擦り寄り 「足りないです…今度はぎゅっとしてください」 「欲しがりだな…いいよ。頑張ったからな。ほら、ぎゅっ」 「…ん…嬉しい」 「このまま寝るといい」 「やだ…」 「なんで?」 「実継さん帰っちゃう…」 「まだ面会終了時間じゃないから帰らない。だから安心して寝るといい」 「うん」 「真尾くん、入るよ」 瀬谷が部屋に入ると、祖父江に抱かれながらスヤスヤと眠る真尾が見え 「おや?寝てしまったかい?くまちゃん持ってきたんだが…」 「でっかいな、それ。宵はたくさん泣いただけあって疲れたらしい」 「少し驚いたよ。あそこまで泣いてしまうとは思わなかった」 「…すまない。俺のせいでもある」 「イタズラ…だったか?」 「ああ。悪気はなかった。むしろ新しい快感を教えるつもりだったんだが…」 「大泣きされた…と?」 「その通りだ。よっぽどショッキングだったみたいだ」 「いったい何をしたんだい?こんなに可愛いがってる真尾くんがトラウマになるなんてよっぽどだろう?」 瀬谷はくまをオーバーテーブルに置き尋ねた 「手足縛って尿道責めしたらショック状態になったんだよ…あれは肝が冷えた…」 「それは確かにショッキングだね。それでも実継を慕う真尾くんは本当に実継が好きなんだね。いい伴侶に巡り会えたな実継」 「一般的じゃないけどな」 「男同士だからってなんだ。養子縁組でもなんでも家族になる術はある」 「養子縁組か…いいかもな。宵の両親の許可がいるが」 「いずれにせよ大事にしてあげろよ?」 「言われなくても大事にする」 「また来るよ」 「ああ」 瀬谷がいなくなると祖父江は優しい表情を浮かべながら真尾の寝顔を見続けた

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