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宵さんとくまちゃんに萌える実継さん
あんだけのことをしでかしたのに宵は、その後も俺を慕ってくれた…
一度手放したけど、もう手放さない…
そのまま宵を見ているとモゾモゾと宵が動き出した
起きるのか?
ふと、オーバーテーブルのくまと目が合いそれの首を鷲掴みにして起きそうな宵の前に突きつけてみた。
「…っ……へ?」
真尾は目を覚まして驚きの声をあげた
目の前にでかいくまのぬいぐるみが…
「くまさん…」
「起きたか?宵」
祖父江は寝ぼけまなこの真尾の顔の前にくまの首を裏から持ち、左右に揺らしてくまを真尾に見せ
「瀬谷が持ってきてくれたぞ」
「…え…えと、、」
「受け取れ」
「はい…」
真尾はくまを受け取り、くまを抱きしめ
「もふもふ……可愛い」
くまに顔を擦り寄せた。
その光景を見て祖父江は、照れて緩む口元を手で隠し視線を逸らした
(可愛いのはおまえだ…宵)
真尾はくまに顔を沈めたまま、上目遣いで祖父江を見
「実継さん?直視できないほど、痛い光景ですか?」
「なっ…違う!逆だ。宵が可愛いすぎて見れないだけだっ」
祖父江は慌てた様子で真尾に視線を戻すと、さらに可愛いらしい光景になっていて頭を抱え
「反則だ…。頼むから他の人に見せないでくれ」
「?」
「宵…43だよな?」
「ですね。いいおじさんがくま抱っこってかなり痛いですよね?瀬谷先生も何を考えているんでしょう?」
真尾はオーバーテーブルにくまを置き
「もらった以上は連れて帰りますけど…困りました」
「大丈夫。似合うから。ただ可愛いすぎて危険だ」
「実継さんだけですよ?そんなこと言うの。一般的には痛いですから」
「まあまあ、朱雀もよかれと思ってくれたんだしそう言うな」
祖父江はポケットからハンカチを出しくまの手に巻きつけ
「よし」
「何がよし?」
「内緒だ。また夜に抱っこして寝れば分かる」
「やぁです。巡回で見られたら恥ずかしすぎます」
ぶいっと横を向き真尾はすね
「お昼ご飯、行った方がいいですよ?実継さんは独りだと食べるの疎かにするから心配です」
「分かった。また午後に来る」
「明日でいいです。ちゃんと体を休めてください。明日から連続5日勤務でしょ?」
「あ、ああ…朱雀が連休とったからな。佐渡と紫藤が入ってだいぶ楽にはなったが1人が連休を取ると連勤にならざるを得ないな」
真尾は視線を祖父江に戻し
「また、明日。待っています」
「必ず来る」
祖父江は真尾に口付け、病室から出ていった
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