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お父さん大好き紫苑くん
「いい子…紫苑。頑張れ」
「うん、頑張る」
佐久間は紫苑を励まし、万が一に備えて強めに抱きしめた
「…紫苑くん、チクってするよ」
「…ん…ぅ…痛……」
「ごめんね、でも今度は血液採れてきてるよ」
「わ…分かった…」
「後少しで終わるよ……うん、OK。頑張ってくれてありがとう!無事採れたよ」
「よかったね!みぃ先生」
ニコっと笑う紫苑に可愛いと思いながら未羽は針を抜き、絆創膏を紫苑に貼り
「本当笑顔可愛いな、紫苑くん。絆創膏をちょっと押さえててね」
佐久間と紫苑に背中を向けて、検体を検査室へと送るエレベーターに乗せた
バターンー
「紫苑っ」
「え?」
未羽が振り返ると紫苑が椅子から落ち、頭を支えている佐久間がいた。
「な、なんで?」
「立ちあがろうとしてそのままひっくり返った。頭は守ったけど…意識が…後、肘擦りむいてるな。みぃっバイタル」
佐久間は紫苑を横に抱きベッドに寝かせた
「はい!紫苑くんっしっかり!分かる?血圧計巻くよっ」
「紫苑!みぃ、そのままバイタル測定頼む。俺は反対の手から静脈ルート確保する」
「うん、分かった」
紫苑…ゆきほどじゃないけど血管細いな…
手の甲からいくか
針を刺すと紫苑の体が跳ね
「…い…痛いぃ…ゃあ!お父さん助けてっ」
「よかった…意識戻ったな紫苑。ごめんな?注射痛いよな?」
ボーとしながら紫苑は口を開き
「うん…痛い…お父さんどこ?」
「お父さん、好きなんだ?ここどこか分かる?」
「好き。ここは…分かんない…」
「そっかぁ…紫苑はいま入院していてここは病院。採血を頑張ってくれたんだけどひっくり返っちゃって今こうなってる」
「…なんとなく分かったかもしれない」
「ちょっと混乱しちゃったな?みぃ、バイタルは?」
「大丈夫!問題ないよ」
「とりあえず安心だな。しばらく様子みて病室に帰ろうな?」
「うん」
佐久間はベッドの横に椅子を付けて椅子に座り
紫苑の頭を撫で
「よく頑張りました」
紫苑は佐久間に撫でられてはにかみながら笑った
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