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縁先生と紫苑くん 2
「…あの…まだ、何もしてませんよ?」
「や。やなの!おしりに…注射なんて……ひく…ぅ…怖いもん」
紫苑の様子をみて紫藤は思案した
泣きだしましたけど暴れる…でしょうか?
カルテによると迷走神経反射を起こしている
モニターは付けたけど…不安だ
1人ではおそらく危険ですね。
ツカツカと机のところまで歩いていき、電話を手にとり
「佐久間、処置2にいいですか?」
″紫苑、なんかありました?″
「まだです。が…可能性があるから来てほしい」
″分かりました。すぐ行きます″
「さてと…嫌だとは思いますが、注射は佐久間が来てからやりますよ」
「い、いや…ぅう縁……先生…治療、怖いよ」
「そういうものです。それから紫藤です。医者は名前で呼ぶべきではありません。お友達じゃないですから」
「え?」
やっぱりこの先生…何かがおかしい…なんで?
このままじゃこの先生…孤立して、患者さんに嫌われていつか大変なことになっちゃう…そんな気がする
そんなのだめ…
今だって…怖くないよ、ならまだ分かる。
怖いんだねとかうん、そうだねとか気持ちに寄り添うのがお医者さんじゃないの?
そういうもの…って言われちゃうと、、
ますます怖いよ
ウィーン…ー
「先輩、お待たせしました。あー…泣いてる。怯えてんな」
「佐久間、すでに泣きだしてるので助かります。ちょっと彼を見ていてください。道具を取りにいってきます」
「はい、紫苑?怖い?」
「…ぐす…うん」
「分かる!怖いよな?俺もそうなんだよ、注射は泣くほど嫌い。だから、泣いていいから頑張ろうな?」
「由宇先生…うんっ」
これだよ!由宇先生大好きっ
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