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千歌ちゃんインフルテスト
「検査…いやだよ……」
「すまないね。ちょっとツンとするがすぐ済むから頑張ろう」
「千歌、俺にもたれて頭を俺の胸に付けて、手はいつも佐渡とやるように組んでキープ、涼木は横から千歌の手足が飛んでこないように控えて」
「はい、先生」
「キープ…やだ…やだっ!怖いことする気だ」
「大丈夫。ただのインフルエンザのテストだ。1度はやったことあるんじゃないかい?」
「それ…絶対、いやぁっっ」
「涼木変更。俺が頭と足を押さえるから手を握って。引っ掻かれないように気をつけろ」
「了解」
祖父江は両足を千歌の足に絡めて押さえ、両手でがっしりと頭を固定した。
千歌が祖父江にしっかり固定されたのを見、瀬谷は千歌の鼻に綿棒をぐぃっと突っ込んだ
「…い゛っ…うぐ…やぁ……やあだ。いったぁい…っっ」
「はい、次は反対」
「ん゛〜っ!う゛…ぇ〜っん…くちゅんっ!ぇーんっいやぁーっ」
「よし、おしまい頑張った。朱雀、千歌のケア頼む。未羽は涼木と俺で行く」
「え?大丈夫かい?」
「俺流で行く」
「?」
「仰向けでやるってことだ」
「手がいるようなら言ってくれ」
「分かった」
「よしよし、千歌。痛かったね」
「ぅぇーんっ…佐渡先生ぇっ…佐渡先生がいいーっ」
「弱ったねぇ。佐渡はすでに帰宅しているからね」
「…えっ…っぅえ…っ…呼んでぇー」
「んー…参ったね。無理かもしれないが電話だけしてあげようね」
「ん…っん…ぅー…」
「佐渡、帰宅後にすまないね」
〝いえ、それ泣いてるの千歌です?〝
「そう、インフルのテストをしたら泣いてしまってね。佐渡を要求している」
〝千歌に変われます?〝
「ああ、いいよ」
〝千歌?どうした?〝
「ぁーんっ…痛いことされたーっ!助けて」
〝痛いこと…って。千歌、検査だから〝
「先生っ…先生っ」
〝行ってあげたらいいです〝
「え?だれ」
〝気にするな。同居人だ。すぐ行くから待ってられるな?〝
「う…ん…ぐすっ…早く来て…っ」
千歌は瀬谷に電話を返し、佐渡を待つ間に千歌は瀬谷に遠慮がちに抱きついた
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