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佐久間、紫苑をあやす

瀬谷が泌尿器科へ戻ると、佐久間は紫苑の頭を撫でた。 「よしよし紫苑?もう泣くなよ。俺まで辛くなるじゃん。瀬谷先生も呼ばれて行っちゃったし俺らも7号室に帰ろう?てか、時間的にデイルームか?もう昼ごはんだもんな」 「由宇先生…抱っこしてくれるならそこ行く」 「抱っこ?抱っこ好きなの?紫苑。デイルームだからみんなに見られちゃうぞ?いいのか?」 「抱っこ好きだから大丈夫」 「しょうがないな…ほら、おいで」 佐久間に両手を伸ばされて紫苑はようやく笑顔を見せ、その両手に飛び込んだ 「おっと…」 「由宇先生好きぃ」 「はいね、ありがとう」 佐久間は紫苑を横に抱きあげデイルームへと向かった。 「午後はさ、俺の処置を受けてね?処置4でやるから。あ!昼ごはん、しっかり食べろよ?で、ちょっと休憩して処置前の前処置について涼木大雅って言う看護師に聞いて?」 「Tiger?」 「いや違う。大きいに雅で大雅な?一応俺の…友人、かな?てか紫苑発音めっちゃいいな?」 「大雅さん。覚えた」 「よし、じゃあその大雅さんに13時30分ステーションで教えてもらって14時に処置4で処置開始ね?」 「うん。処置痛い?」 「んー…どうかなぁ。人それぞれだもんなぁ。気持ちいいって感じてくれたら、処置の効果有りってところかな?」 「?」 きょとんとする紫苑に佐久間は笑い 「分かんないよな?でも、嫌でも2時間後には分かるからさ」 デイルームに着くと、佐久間は紫苑を看護師に託し 「じゃあ14時にな?」 「うん」 「みぃっ」 デイルームの椅子に座っている未羽を佐久間は呼びつけ 「処置4に14時。紫苑の処置はいるから。15分前には来といて?」 「はーい」 「2人ともまた後で」 佐久間はデイルームから出て医局へと向かった

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