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かおる 観察室へ

「ふぅ…無事通ったな…よかった。痛かったろ?かおる、よく頑張った」 「も、い…から…抜いてよ…ぅう…っ頼むよ。痛い…もうやだ。帰らせて」 かおるは声を震わせながら抜いて欲しいと頼み 佐久間はブジーを抜いた 「痛いよな?いま抜くから。また少し痛いぞ」 「…っ…ぅ…痛…ぃ」 ピンクカートの引き出しを開け、尿道カテーテルと蓄尿バックを取り出し接続すると、小さな注射器で固定用の生理食塩水をボトルから吸い上げ、空のボトルをくず入れに放った 「かおる?狭窄部位はいまいったん拡げたけど拡がったままにしたいから24時間導尿な」 「い゛っまだ、痛いことする気なのかよ!?この悪魔っ」 「うるさい。黙ってろ」 いつに無くきつい佐久間の態度にかおるは口をつぐんだ 「…」 「未羽、手の押さえはもういいからこっち挿入頼むわ。やったことあるだろ?」 「はい」 「へ……ま、待ってよ…実験台とかマジ無理。もう痛いのは勘弁なんだけど」 「お前なぁ、未羽のこと舐めてるようだけどこいつも立派な医者なの!協力しろ」 「むかつく…」 「ごめんね、かおるくん」 未羽はカテーテルに潤滑剤をつけて滅菌手袋を装着するとカテーテルを摘み、反対の手でかおるの陰茎を掴み挿入姿勢をとった 「えと、いきます」 「…っ…う〜…っもうマジ嫌。痛〜ぁい」 「ごめんっ…ってあれ、ちょっと引っかかる?」 「ああ、そこが狭くなってる。出血覚悟で進めていい。さっき拡げたから通るはず」 「はい」 「ひぃ…うぅっ…いたっ」 「通りました。出血…してる色ですけど、とりあえず様子みでいいです?」 「ああ。続くようなら考えよう。固定するぞ」 佐久間はカテーテルの分岐点から固定水を注入した 「かおるくんおしまい」 「はぁはぁ疲れた…ねえ、マジ部屋帰っていい?」 「だめ」 佐久間は間髪入れずにかおるの願いを拒否した 「あ?」 「今日はこのまま観察室に連れてく」 「どこだよ?それ」 「今夜の当直俺らだから24時間ステーション横の専用の部屋で観察させてもらう。モニターもそのままだ」 「この…悪魔野郎」 「佐久間。ちゃんと名前覚えろし」 佐久間らはかおるをストレッチャーに乗せかえ観察室へと搬送した

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