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佐久間、かおるを思う
佐久間と未羽は観察室から出てステーションに向かい、佐久間はステーションの観察モニターまで来たところで立ちどまり画面を見あげた。
画面上には千歌に口づけられてかおるが喜び寝ついていくところが映し出されそれを見た佐久間がつぶやいた
「ごめんな…かおる」
「先生…どうしたんですか?千歌、本当にキスしてますね。アフターケアのつもりなのかな?」
「かもな?本当は俺がアフターケアしてやんなきゃいけないし、あそこまで厳しくする必要…無いんだろうけどさ、俺が鬼になんないと治療進まないから。痛いの知ってるしやらないでいいならやりたくないよ?俺も。でも、俺自身の時はさ治療やる気なくてさらに痛い目にあったから同じ思いさせたくないんだよな…。
かおるにはきちんと治療して1日でも早く退院させてやりたい」
「本人に直接言えばいいのに」
「言えないの!消したい過去なんだから」
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「恥ずいよ。偉そうに患者泣かせてるくせに実は泣き虫意地っ張りの甘えん坊だったなんてさ」
「アフターケアはなんで?ぼくの時も頭撫でてくれたり、飴はよくもらったけど、どちらかって言うとあんまりなかった気がする」
「あんだけ痛がらせて泣かせて、会わせる顔がないからだよ。頭撫でたり飴あげるくらいならできるけどさ。たぶん紫藤先輩もそうなんだろうな。あの人、いつも辛そうな顔してる。…ん?あ」
「?」
「千歌…あいつも鬼だな。寝ついたのに点滴しようとしてる…」
「あー…かおるくん、起きた。てかあれ…泣いてません?」
「だな」
「あ、でもよしよしされてかおるくん嬉しそう」
2人は画面を見ながら微笑みあい、医局へと向かった
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