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かおる 佐久間 距離近づく

「かおる…?大丈夫?」 「…っ…ぅ…痛い……こんなんで痛がってって笑えよ、あくま…っ」 右脇を押さえて、左手で柵を掴みベッドから身を乗り出して威嚇するかおるの頭にそっと佐久間は手を乗せ 「笑うわけないだろ。こんなに頑張った子をさ」 「…っ」 佐久間はそのままかおるを抱きしめ 「よく頑張った。おまえかっこよかったよ、尊敬する」 「さく…ま…?」 「ごめん。今まで真剣に向き合わなくて…おまえととおるは違うのにな?治療しろしろ言うばっかでかおるの話、ちゃんと聞いてなかったよな?俺」 佐久間はポツポツと話をし、抱きしめる手に力を入れ 「悪かった」 佐久間の謝罪に感化されてかおるは涙を滲ませ 「佐久間のくせに…なんで優しくすんだよ……っ…」 「おまえの辛さ、同じ病気の俺がいちばんよく分かるから。必ず治す。かおる」 「?…せん…せ?マジかよ?」 かおるは始めて佐久間を先生と呼び、目を白黒させた 「うん。詳しくは悪い…まだ話せないけど同じ病気なんだ、俺。おまえみたいに気丈に振る舞えなくて泣いてばっかだったし、先生にも甘えてばっかだったよ。 だからブジーの辛さも膀胱留置カテの辛さも全部分かる。あの恥ずかしい椅子に乗った時の気持ちもな」 「知らなかった…」 「言ってないもん。恥ずかしいだろ?あくま先生が実は泣き虫由宇くんだったなんてさ」 「恥ずかしくねーよ。頑張ったんだろ?頑張ったから今があるんだろ?医者になるって並大抵じゃできねーよ」 「かおる…」 励ますつもりが逆に励まされて佐久間は震えた。 2人の心の距離が近づき、かおるは佐久間のことを見直し佐久間はかおるを見る目が変わった

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