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瀬谷 由宇に報告
「あ……由宇!」
ちょうど6号室を出たところで、1号室から出てくる由宇が視界に入り瀬谷は由宇を呼び止め
「は?へ…なんで瀬谷先生がここに?紫苑に会いに来た感じ?あ…でも、そこみぃの部屋?」
「紫苑にじゃないよ。この後顔は見ていくが今は遠野くん…未羽に用があってね」
「用って…」
「急遽、佐渡先生と紫藤先生が10日ほど休暇を取ることになってね」
「2人揃って?」
「そう。その間代理でこっちに出向 することになって未羽とゆきを受け持つからよろしく頼むよ」
「知らなかった…」
「つい先刻決まったばかりだからね。で、早速なんだけど…未羽をね診察治療してきた」
「え?マジ?」
「たくさん泣いてたが2指挿入して勃たせるまではできたよ。彼は頑張り屋さんだね」
「ちょ…いきなり…2本いったの?」
「いった。さすがに指を開いたら悲鳴に近い泣き方してたけどね」
「うわ…鬼」
「アフターケアでスヤスヤ寝始めたから大丈夫。気になるなら見にいくといい」
「なんかさ、先生…生き生きしてんじゃん」
「結局、性に合っているんだよ。ここが」
「戻ってくんの?」
「それは…厳しいかな。人事部が人数調整してるからね」
「希望出せばいいじゃん」
「なんだ由宇?一緒に働きたいのか?」
「ちっ違うし!どうせ働くんなら性に合ってるとこのが…って思っただけ!ただそんだけだから」
「素直じゃないね?由宇。昔はぎゅってしてーって甘えん坊だったのに。あの頃のきみはどこに行ったんだい?」
「成長したの!もう甘える側じゃなくて甘えさせる側だから」
「そうかそうか。あの由宇がねぇ。時の流れを感じるよ。じゃあ、紫苑に会ってくるよ」
瀬谷は紫苑のいる7号室へと入っていった
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