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みぃ あーん
厨房から戻ってきた佐久間は、ガーゼで巻いた保冷剤とカレー、サラダ、果物、ストローのついた牛乳が乗ったお盆を持ってきた。
「お待たせ。今日カレーだって。ほい」
床頭台 にお盆を乗せると佐久間は保冷剤を未羽に手渡した
「え…冷たっ!えーと?」
保冷剤…?な、なんで?
傷まないように?まだ夏じゃないのに?
それより…床頭台じゃ食べれないかも…
「オーバーテーブルに乗せてほしいなぁ…そこじゃ取れないよ」
「みぃ。おまえは目を冷やしてな?口に運んでやる」
「じ…自分で」
「そこは甘えるとこなの!OK?」
「分かった。先生、じゃあ甘える。血糖チェッカー取って?引き出しに入ってる」
「それは甘えるというより使うだな。まあいいや。測ってやる」
「うん」
「うん。測定値80。若干下がってるけど正常値内でよかった。とりあえず安心」
「本当?」
「そ。一時的に血糖値上がってもブドウ糖のおかげなだけで根本がよくなっていせいでまた低血糖になるケースがあるからそれが心配だったけど、これくらいなひとまず安心」
「よかった」
「ん。じゃあまずは牛乳ひとくちふたくち飲みな?」
「うん。ンク…ごくん…美味しい」
「叫んだだろうし美味いよな?次はサラダ」
「カレーじゃなくて?」
「自分の病気忘れてるだろ、みぃ。血糖値が急上昇しないように順番考えて食べんの!もしかしていつも適当か?1型だから歴長いだろ?」
「う…先生…さっきから内分泌の先生みたい…やな感じ」
「いや…内分泌出身だから俺…」
「ふーん」
「ふーんって…まあいいや。ほら、口開けてあーん」
「あーん…ん…このトマトあまーい美味しい」
ニコニコしながら食べる未羽を見て、佐久間の口が緩んだ
あーやばっ
ツバメの親の気分…
可愛いすぎでやんの
でも、この話を臣にしたらヤキモチ妬くんだろうなぁ
でも、話したい
佐久間は未羽に萌えを感じながら臣に話すかどうかを考えていた
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