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千歌 佐渡に泣かされる 2
「ちーか!こらっ危ないだろうがっ。台から足を降ろすな!キープが崩れてる以前の問題だっ」
佐渡は千歌の左足を軽く叩き、台に乗せるよう促したが千歌は首を横に振り
「だ…だって…絶対それ痛い…やだもん」
「けーんさ。やだでもなんでもやらなきゃ千歌の体の状態が分かんなくて治療できないって分かるか?」
「分かるけど分かりたくない…」
「はぁっ…たく…っ」
「怖い…怒らないで…っ」
「怒ってないよ」
佐渡は椅子から立ち上がり診察椅子の前にしゃがむと足台裏のベルトを外し千歌の右足首を固定した。
「……っ」
千歌は佐渡の怖さに震え、絶句し左足を掴んでくる佐渡のされるままになり足を台に乗せられると涙を流した
「…やぁっ」
「おいたをするあんよは固定しておかないとな?病院でケガをさせるわけにはいかないから許せよ?」
「ひく…ぅ…怖い…いや」
泣く千歌を見上げながら佐渡は左足を固定し、左右の固定の確認をすると椅子に戻り座り直し、ポケットから携帯を取り出し電話をはじめた
「紫藤?戻ってこれないか?TRUS やる前から泣き出して苦戦中」
〝戻ってさしあげたいのはやまやまですけど、後5分で委員会なので無理です。佐久間は?〝
「あいつはあいつでみぃの処置に入ってる。瀬谷局長は休みだしな…」
〝駄目元で佐久間にヘルプコールしてそれでもダメなら少しナースには荷が重いかもしれませんが、コールしてみては?
「そうする。委員会頑張れ」
〝あなたも。幸運を祈ります〝
佐渡は1度電話を切り、佐久間の携帯へと電話をかけた。
千歌は電話をかける佐渡を見下ろし、とまらぬ涙を流し続けた
怖いよぉ、
みぃ、助けてーっ
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