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涼木 少年棟初夜勤の日の話

「涼木さんその話教えてよ。知りたい!泣いた?ねぇ泣いた?」 「みぃ、なんか食いつきよくない?」 「自分のこれからの治療予定考えると怖いもん。だから違う話が聞きたいよ」 「どうする?涼木。俺もそこまで聞いちゃったからちょっと気になんだよね?初夜勤で急性前立腺炎発症て普通に考えてヤバイじゃん?俺がこっちに異動んなる2年前くらい?だよな。 泌尿器科入院したの?それとも少年棟?」 「少年棟ですね…初夜勤日だったから先輩が付いてたからなんとかなったけど、熱が下がるまでの5日くらいリカバリでお世話になったかな?」 「は?たったの5日」 「その後は自宅で1週間休んで復帰って感じで。先輩が気づいてくれて、瀬谷先生が早く見つけてくれたから重症化しなかったんでもう先生たちには頭があがらないかな」 その後も涼木は話を続けー 涼木夜勤、初日のことーー 涼木は先輩周防と瀬谷に挨拶にきていた 「瀬谷先生、今夜よろしくお願いします」 「基本、涼木がやるんやけど俺はサポート入らせてもらいます」 「分かったよ。おや?涼木くん緊張してるかい?少し顔が赤らんでるね」 「夜勤は総合内科で何回もやりましたけど、ここでははじめてですもん。緊張しますって」 「そう気負わなくてここの夜勤は比較的平和だから気楽にね?」 「せやで?」 「ありがとうございます」 夜勤は…うん、ぶっちゃけ好きじゃない でも、今夜は初日だし 今日くらいは頑張んないとな なんか、熱っぽい気はするけど…緊張してんだろうな 無事に終わりますように。 涼木のこの時の願い、むなしく無事には済まなかった

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