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涼木 40度
瀬谷を見送った後、下半身むき出しの涼木に周防は病衣を差し出した。
「病衣?」
「熱出とるで汗、かくやろ?交換しやすいから着とき?」
「え…ちょっと恥ずかしいけどはい、分かりました」
「あ、なぁ涼木くんどうする?」
「え?」
「このままここにおってもええけど、リカバリで休んどってもええで?その方が俺が安心やし」
「え、そんなことして師長から指導受けません?」
「大丈夫やって。いま患者さん使ってないから。ここで仮眠とるスタッフもいてんで?」
「わ、分かりました。じゃあリカバリで」
「点滴はリカバリ着いてから刺したるな?」
「はい」
「とりあえず車椅子座り?」
「大げさですよ、先輩」
「あかんて。無理したら後に響くで?」
「分かりました」
周防と涼木はステーションに戻り、リカバリに入ると周防は涼木をベッドに寝かせた。
「準備、手伝います。先輩」
「ええて。寝とり?」
「なんかすみません。ありがとうございます」
「涼木くん、ええ血管しとるやん。みんなこうやったら助かるのにな?」
「ですね。ここの子たち、みんな細いですからね」
「涼木くんのこれは普段鍛えとる証拠やな?ほな、採血からいくでー」
「…っ」
「ok。点滴接続完了。無事入ったで」
「はい」
「また見にくるわ。なんかあったらナースコール押しぃ?ええ?」
「分かりました」
しばらく休んでいるうちに涼木の呼吸は荒くなりだした。
「は…ぁ…はぁ…」
痛い…苦し…っ
いま、いったい何度あるんだ?
体温…計、、
涼木は必死の思いで体温計を手に取り熱を測った
ピピピ…ー
「なっ…40って…」
熱の高さに涼木は息を飲み、一瞬ためらったがナースコールを押した
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