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涼木くんが連れてきた子
約束の18時になる10分前、周防はイライラしていた。
「涼木くん来 ーへんな?しー先輩」
「いや、雅宗?まだ時間前だから」
「10分前行動は社会人の常識やで?」
「まあまあ」
周防は涼木の到着が遅いことにプリプリ怒り、牟呂はそれを慰めていた。
それから10分後ー
「すみませんっ時間ギリギリで!」
「遅いやん!涼木くんっ」
「まーさむね。時間ぴったりだから怒らない」
「せやかてっ!それより誰やねん隣」
関西カップルがイチャついてるなか、ポツンといるのは辛いんだよな
支払いはこっちだし、誰を連れてこようと自由だと思う
「ツレです。先輩も連れてきてるからいいですよね?」
「別に…悪いとは言うてへん」
「あの、ごめんなさい。大雅を怒らないでください。俺の講義が長引いて…っ」
それまで黙っていた青年が口を挟んだ
「道。お前が謝ることないから」
「でも、大雅が俺のせいで怒られるのは辛い」
「なんなん?ひょっとして涼木くんのいい子?」
「いい子だなんて…遊んでもらってるだけ、かな?ね?大雅」
「遊んでるけど、その時は本気だからな。この子は相馬道隆 。今、うちんとこの医大2年生」
「20歳!?若っ。何個下やねん!ヤバない?犯罪やで犯罪。な?しー先輩」
「成人してるなら犯罪にはならないだろうけど…随分年下の友達だね?涼木くんにそんな若い友達がいるの知らなかった」
「いますよ。交友関係広いんで。さ、行きましょう?」
「相馬くん、医者になってうちの科に来たらおもろいな?そしたら可愛いがったるわ」
「え…お手柔らかにお願いします」
「ちなみに何科志望なの?」
「児童精神科。ボランティアで小児科には何度もお邪魔してて大雅とはそこで」
「涼木くん小児科出身やったっけ?」
「総合内科ですよ。幼馴染が院内保育士やってるんで。御崎臣 って覚えてます?」
「「臣くん!?」」
周防と牟呂は声を揃えて驚いた。
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