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千歌 膀胱留置される

「かつての由宇くんみたいに急変して帰ってくる…なんてことがないといいんだけど…」 「その脱走した子も心配だけど、とりあえずそっちは瀬谷に任せて、この子を診るが…この子はこの子で心配だな」 電子カルテを立ち上げ、千歌の情報に祖父江は目を落とし 「なかなか悩ましいな…自己導尿の指導もうまくいっていないようだし…いま自尿は?」 「待ってください。見てみます…無い、ですね」 「宵、エコー準備して」 「はい。カーテン閉めますね」 祖父江は椅子に座り、まだ目覚めていない千歌のお腹にジェルを乗せてエコーをし 「溜まってるな…宵、膀胱留置しようか」 ジェルを優しく拭いとると、祖父江は千歌の腹にバスタオルをかけ千歌の甚平の下と下着を脱がせ 「実継さん、カテーテルは14Frでいいです?」 「んー…ちょっと待って。10…いや、12でいいか。12で用意して?」 「はい」 真尾が道具を用意をすると、祖父江は滅菌手袋をつけ 「まだ…寝てるな…いきなり初対面の俺に痛いことされたらパニックになるだろうから、宵?両手頭上に固定で。一応起こして?」 「わかりました。千歌?千歌くん起きれますか?」 「…ん…んぅ…あ?師長さん?」 「うん。そう、です。おはようございます。起きて早々だけどちょっと処置をさせてもらうね」 「処置?」 「うん。さぁ、お手々バンザイ〜」 「バンザイ?ん」 「はい。上手」 真尾はあげられた手を両手で掴み 「ちょっと痛いけど頑張りましょうね?」 「え?何されるの?後、この人だぁれ?」 「祖父江実継先生。小児科のお医者さんで今日だけ特別にこっちに来ているんです」 「こんにちは。千歌くん」 「こん…にちは」 「千歌って呼ばせてもらうな?」 「うん」 「ところで今、おしっこ出るか?」 「え…えと…たぶん出ない」 「分かった。先生たちがおしっこがでるように手伝うから千歌も頑張れるか?」 「え…内容による」 「内容によるかぁ…ははっ。なんだかかつての臣を思い出すなぁ、この子」 「千歌くんと未羽くんはいいコンビですよ。本当、臣くん由宇くんみたいに仲良しで」 「そうかそうか。後はやることが済んだら聞くことにして…嫌なことは先に済ませような?」 「う…うん。あの…なんでオレ、下履いてないの?」 「膀胱留置するからです。導尿よりちょっと辛いけど頑張りましょうね?」 「ぼーこーりゅーち……」 「24時間持続で導尿ってことな?尿道が傷つくからなるべくじっとだぞ?できるか?」 「わかんない…怖いよ」 「大丈夫です。祖父江先生に任せて。ほら、お股パカンって広げて?」 「恥ずかしい…」 「ごめんな?タオルとるぞ」 千歌は恥ずかしさに顔を背けた 佐渡先生と紫藤先生以外にされたことないから恥ずかしいっ はじめてだから怖いし…ドキドキが止まらない

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