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捜索1日目打ち切り
涼木が病棟へ来ると瀬谷は時計と地図をにらめっこし、地図をホワイトボードに磁石で貼り付け
「打ち切ろう」
「え?局長…」
「終業時刻まで後30分だ。夜勤入りもきた。夜になって警察に補導される可能性もあるし、とりあえず今日はやめよう。佐渡、ご苦労さま。みんなを呼び戻そう」
「分かりました」
佐渡が頷き、電話をとるとそのタイミングでリカバリーが開き
「佐渡先生、千歌くん…お腹詰まってるかもしれません。ちょっと今からCT行ってきます」
「CT?!」
ストレッチャーに乗せた千歌を祖父江が押し
「千歌ー?ちょっとガタつくぞ」
「う…うん」
不安そうな顔の千歌と目が合い佐渡は駆け寄り
「千歌っ」
「先生っいたの?」
千歌は両手を出して佐渡の顔を触り
「行ってきます」
「もう手は空いたから着いていくぞ?千歌」
千歌は祖父江に目を移し
「着いてきてもらいたかったらそうしたらいい。状況によってはそのまま処置に入るから。いた方が心強いかもしれないな?」
「うん」
「じゃあお願いします」
CT室につくと控え室で祖父江と佐渡は話していた
「佐渡?なかなか躾られた子だな?あそこまで躾けるの大変だったんじゃないか?」
「ですね」
「画像出てきたな…あー…よくないな。どうする?」
「祖父江先生ならどうされます?」
「まずはマーゲン挿れて減圧して良くなるか試すかな?以前にイレウスチューブをやった子はかなり辛そうだったからマーゲンで事足りるな
らその方がいい」
「ですね。師長さん、マーゲンってここにあるんでしたっけ?」
「外来に借りに行ってきますね?でも、千歌くんってやったことありましたっけ?吸引もインフルテストもしてた覚えが…」
「無いな…耐えれるか」
「佐渡、押さえててくれ。俺がやる。ただ、相当泣くだろうから覚悟していてほしい」
「分かりました」
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