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10年経っても泣き虫、由宇 2
「お腹にジェルを乗せるよ、由宇」
「…っ」
これ…痛くも痒くも無いから楽は楽だけど…あんま好きじゃない。
エコーするには必須だけど、感触が嫌い
てか、病院そのものが嫌い…
みぃが逃げる気持ちもよく分かる。
〝分かる!〝って言ってやりたいけど、そこはやっぱり主治医として…みぃが回復したら一応、お仕置きしなきゃだよな
でも、今はそれより自分だ。
ちらっと画面を見る。
うわ…アウトー。
医者になって画像読めるようになっちゃったから見ただけで一発アウトなのが嫌でも分かる
導尿かぁ…導尿。マジか…
泣かされんじゃん。マジ、最悪…。逃げていい?
ダメなのは分かってるけど…あー逃げたい
「なぁ、由宇くん?逃げたい〜って顔、してんで?やめとき」
「はっ逃げないっ…逃げないよ…ただ…嫌だなって」
「気持ちは…まあ、分かるで?ちょっとの辛抱やん?頑張ろ」
「周防さんは導尿されたことないでしょ。ちんちんに何か突っ込まれたことないから分かんないと思う。どんだけ辛くて嫌か」
「導尿は確かにない!せやけど尿道バイブなら経験あるでっ。あれは辛かった!!」
「え?」
「ん?」
顔を見合わせる瀬谷と由宇に周防は〝しまった〝と口を手で押さえ
「今のはなしで。聞かんかったことにして〜」
手を×にして周防はうろたえた。
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