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仲睦まじい由宇と臣
「はい、じゃあゴロンー」
「ゴロン…はーい」
臣の言われるままに可愛らしく言うことを聞く由宇を見て西は
「佐久間先生がと思うとなんか違和感があるけど、あの頃の由宇くんと思うと頷ける光景だな」
「そうだね。しかし、俺には先生の時もプライベートの時もどっちも可愛らしい由宇だけどね」
瀬谷と西が和んでいると、臣がカバンの中にズボンとパンツをしまい、両手をひらひらと動かし
「はい、ズボンとパンツないないね」
「ん。ないない〜。ね、おみー?おしり痛い、しない?」
「せんよ。心配せんでよか」
「臣、そのまま相手をしていてあげてくれるかい?」
「あ、はい。よかよ?痛かことする?」
「そうだね。採血と点滴がしたい。血液培養をしたいから最低2回は刺さないといけないな」
「由宇、チクンするとよ。ちょーと痛かよ?お手手握ってあげると」
「西、培養ボトルの1セット目頼めるかい?俺は反対側で2セット目と点滴を繋ぐから」
「同時にできますかね?」
「どさくさに紛れて終わらした方がいい。後は鎮静剤をかけて、充分効いたところで膀胱留置を…」
「はい」
「んー…これって」
注射用の腕を縛るゴムチューブを持ち西は首を傾げ
「由宇くんって呼んだ方がいい感じ?」
「いまは先生じゃなかもんねぇ、由宇。お熱ば出とる時の由宇は甘えん坊さんやけん。そういう時はやりすぎなくらい甘えさせてあげるとよ」
「ねぇ、おみぃノドかわいた」
「おぶう飲む?」
「ん。飲む。ちょうだい」
「先生、膝枕させてお茶飲ませてもよかね?」
「吐いたりは家でしてないかい?」
「大丈夫」
「それならいいよ。しかしおぶうか…懐かしい言い方だな」
「赤ちゃんごっこしとる時は由宇いい子やけん。ね?由宇」
「ね?」
臣はカバンから哺乳瓶を取り出し
「はい、チュッチュ」
由宇の口に哺乳瓶の乳首をくわえさせた
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