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雅宗 おしっこが…2
「牟呂、ここですか?」
「はい」
声に反応して牟呂は扉を開け、真尾はパッと見でトイレ中の状況が読みとれず首を傾げ
「これは?雫…何が目的ですか?わざわざ呼び出してまでいやらしいことでも始めようと?」
「違います。宵さん…勘違いしてます」
「?どういうことでしょう?」
「雅宗、尿意はあるのに腹圧かけても出なくて…腹の張りもかなりあるし痛がるしちょっとまずい気がして」
「…」
真尾は腰をかがめ周防の腹に手を当て
「ちょっと失礼……」
「…っん。押さんといて…辛い」
「これは……確かによろしくないですね」
真尾は電話を取り
「指示をもらいましょう」
「え?師長まで何言うて…ひとりにしてくれたら出るって」
「黙って。もしもし、真尾です。瀬谷局長いまどこに?」
〝由宇の様子を見てる最中だよ。まだ熱が高くてね。どうしたんだい?〝
「周防が尿閉の可能性が高くて診ていただいても?」
〝分かった。処置3に連れておいで〝
「1じゃなくていいです?」
〝それはまた考えよう。とりあえず待ってるからすぐ連れてきて〝
「分かりました。ありがとうございます」
電話を切ると、真尾は周防の両手を引っ張り上げて立たせ
「牟呂、周防のズボンを」
「はい」
牟呂にズボンをあげる介助をさせると、周防の手を引き真尾は歩き始め
「え…ゃ…どこ連れていくんっ」
「いいから。行きますよ」
「いややっ」
手を振り払い周防は廊下に座り込み、泣き出し始めた
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