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雅宗、診察
ベッドに寝かせられると、ズボンを真尾に奪われ変わりにバスタオルをかけられて周防は居心地の悪さにバスタオルを握りしめた
「ズボン…返してや…」
「後で返しますね?先生、照明落とします」
「師長うん、頼むよ。じゃあ雅宗?エコーで診ていくからその手をどけてくれるかい?」
「やっ!いやや」
「むーっ手、バンザイ。ほら」
牟呂は周防の両手を頭上にあげ、手をどかさせ
「宵さん、手の方いいです?俺、足側行くんで」
「分かりました。ねぇ雅宗?なんで雫はむーって呼んでるの?」
「ねーちゃんが名前、まさきやねん…まさとかまーって呼ぶと紛らわしいからむーとかむねって小っこい時呼ばれてただけやで」
「そっか?かわいいですね。僕も呼んじゃおうかなぁ。ね、むーくん?」
「え…なんか恥ずいで」
周防と真尾が話しているうちに瀬谷はエコーで周防の膀胱を診察し
「んー…350ml…溜まってる予測だね。お腹痛いだろう?雅宗」
「せやから、トイレ座っとったのに…あんたらが無理矢理…」
「むーくん、あのまま座ってても出なかったと思いますよ?可哀想ですけど…先生に助けてもらいましょう?」
「助けるって…なんなん」
「おしっこを出すお手伝いをしようね、雅宗。真尾師長?きみ、付き添い平気?気分が悪くなるんじゃないかい?」
「…ですね。倒れて迷惑かけてもいけないので誰か変わりを寄こしますね」
「頼むよ。牟呂は雅宗が逃げないように手を握って動かないでいてほしい」
「分かりました。むー、いい子にね?」
真尾とバトンタッチをすると真尾は処置3から退室し、牟呂は周防の両手を握りしめた
「先輩…怖い」
「宵さんが言ってたでしょ?泣いてもいいから頑張れ」
きつく、握られる手に周防は怖くて震えた
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