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涼木くん 助っ人
ウィーン…ー
扉が開くと、涼木が中に入ってきた。
入ってきた涼木と牟呂の目が合うと、牟呂はイラっとした顔をし
「むー、よかったじゃん?涼木くん来てくれたよ」
「先輩…なんで、怒っとるん?」
「別に?」
2人の雰囲気に涼木は首を傾げ
「痴話ゲンカ?」
「ちゃうて!しー先輩が勝手に怒っとるだけやで」
「んー…よく分からないですけど、師長から頼まれて助っ人に来ました。いつだったかと立場が逆ですね?周防先輩」
「逆って?なんやったけ?」
「2年前ですね。初夜勤の時に俺、やらかしたの覚えてます?あの時はお世話さまでした」
「あーあれか!前立腺のアイテルでプンクした…え…俺、それされるん……っ?や…っ針、刺されたないっっ」
「落ち着こうか?雅宗。それはしない。約束する」
「先生っ…いややっ」
「大丈夫だから。興奮しない、雅宗。一度落ち着けるかい?」
「っや…怖いっ」
「ダメだね…。牟呂、涼木。雅宗をちょっと向こう側へ横に向かせて押さえていて」
「はい」
周防の体勢変えを2人に任せて、瀬谷は注射薬を注射器に詰め支度し
「しっかり押さえていて。いくよ」
ベッドに片足を乗せ、周防のおしりの肉を摘み消毒すると中心に注射器を突き刺し
「ひゃうっ」
「足、しびれないね?雅宗」
「いややっ!なんで注射ぁ」
「鎮静剤だよ。じきに効いてくる」
「いたぁっっ!これ、痛いぃー」
「よしよし、もう少しだ。そこまで痛くないはずなんだがね?痛がりなのかい?きみは」
「ぅえ…っ…も…や…っ」
「泣かなくていい。もう終わる…ほらおしまい」
瀬谷は針を抜き、周防のおしりに絆創膏を貼った
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