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おねむなみぃ
「みぃちゃん起ーきて?」
東間が未羽の足元を揺するとむずがりつつも、未羽は寝転んだまま目を開け
「ん…んぅー…お昼寝したとこなのにぃ…」
「ごめんね?」
「だぁれ?」
「あー、めっちゃ古株なんだけど担当違うからあんまり会わないもんね?東間南 だよ。自分もみーちゃんって小さいとき、呼ばれてたよ。南って呼んでいいからね」
「みーちゃん…」
「そう。食後2時間の血糖値測ろうね?」
「はい…」
素直に指先を未羽は出し、東間は出された指に針を刺し
「いい子だね?みぃちゃん。血ぃもらうね」
測定器に血液を染み込ませ、結果が出るのを待ち
「ボーとしてるけど眠い?」
「うん」
未羽はウトウトしながら頷き、横を見るとご機嫌ななめな千歌の声が聞こえて首を傾げ
「ちか…どうしたんだろ?すっごいご機嫌ななめさんみたい」
「んー…千歌ちゃんはいま頑張ってる最中」
「?」
「気にしなくていいよ」
東間が測定器の液晶を見るとokサインを出し
「120。安定してるね。よかったよかった」
「ん。ばいばい」
再び寝ようとする未羽の肩をポンポンと叩き
「だめ。起きて?」
「眠いっ」
「怒れちゃったね?みぃちゃんは寝転んでていいよ。左向いて丸くなっておしり出そうか?できる?」
「んー?できる」
東間がカーテンをかけている間に未羽は寝ぼけながら左を向いて丸くなった。
「なったよ」
「いい子。じゃあ、ごめんね」
謝られると同時にズボンを下げられ未羽は恥ずかしさに手でおしりを隠し
「見ちゃだめ」
「恥ずかしい?」
「うん」
「そうかそうか。そうだよねー?」
あいづちを打ちながら東間はローションのキャップを開け手にとり、音に気づいた未羽は不安そうな顔をし
「何するの?」
「前に佐久間先生にやられたことがあったと思うよ。フィンガーブジーね。手は…そうだなぁ、枕を抱っこしてよっか?」
言葉の意味が分からず未羽はポケっとしながら言われるまま枕を抱っこした
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