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千歌 カテ再挿入
「よし、じゃあまずはゼリーを挿れていこうかな」
針の無い注射器にゼリーを挿れ、千歌の鈴口にあてがいナカをゼリーで満たし
「…っぅ…ん…何これ…」
「いつもの導尿の時に使うゼリーだよ。コレをしておくと少しだけど辛いのが減るからね?気持ち悪いだろうけど我慢だよ」
「うん…」
「瀬谷先生、ペニスクレンメいります?」
「いや。膀胱鏡をするわけじゃないからすぐ挿入するよ」
「分かりました」
「じゃあ千歌、カテーテルを挿れていこうね?」
「う…うん…」
不安で千歌が足を閉じながら手を口元に持っていくと、佐渡が千歌の手を胸元に誘導し
「手は胸の位置で組んでキープ。足は閉じない。教えなかったっけ?」
「…う……教わってる」
「じゃあやる」
千歌は首を左右に振り
「できない。やれない…こわいよ」
目を潤ませ、垂れてくる涙をゴシゴシと手で拭い
「せっかく挿れてもらったゼリーが流れる」
「…っ」
2人の様子に瀬谷は消毒を持ったまま固まり
「佐渡?そんなに厳しくしなくてもいいんじゃないかい?」
「千歌はちょっとキツめなくらいじゃないとスムーズにいけなくて…」
「その子その子に合わせているのは分かるが…千歌?大丈夫かい?」
「大丈夫くない…やだっ!やだぁー。挿れなくてもおしっこ出るもん。したくない…っ」
「千歌。それで熱を何回出した?熱が出て苦しむお前を俺は見たくないよ」
「でも…っ」
「千歌…」
切ない声色の佐渡に千歌は涙ぐみながら手を佐渡に向けて伸ばし
「手、胸って知ってるけど…今日は先生がいい…っ…だめ?」
「だめじゃない。ほら」
佐渡はあたたかな手で千歌の両手を握り、千歌は握り返して足をそっと開いた
「決心がついたかい?偉いね、千歌」
そこからは流れるように再挿入が進み、カテーテルが入った時に千歌は叫んだものの暴れることなく終わり、そのタイミングでカーテンが開いた。
「千歌、みぃのところに行ってくるな?変わりに東間が側にいてくれるから甘えていい」
「うん。行ってらっしゃい」
千歌は涙で頬を濡らしたまま、佐渡の背中を見送った。
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