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雅宗 鎮静をかけられる
「な、なぁ?嫌な音聞こえたで?なんなん?」
「力を抜いて楽にね」
振り返ると瀬谷が手に持っている物体に周防は釘付けになり
「いやや。それは挿れんで!熱は出とらんし、便秘にもなってへん!坐薬なん挿れられたないっ」
「どっちでもないから」
「痙攣もしとらんし、嘔吐もしとらんのになんで…」
「はいはい。坐薬適応の症状よく覚えたね。文句は後で聞いてあげようね」
あやすような口調で言いながら瀬谷は坐薬と人差し指を周防のナカに押し込み
「はぅーいたーいっ」
「よしよし、いい子だね?雅宗」
「なんなん?何突っ込んだん?」
「鎮静剤の坐薬だね。鎮静剤の注射で興奮してしまうのが分かったからね。念を入れさせてもらった」
「痛い…指、抜いてや…」
「まだ」
「ぅうー…おしり…痛い…」
「んー…普段どうやって恋人と仲良くしているんだい?」
「それはそれ、やもん」
「はい、おしまい」
「もうしない?」
「坐薬かい?とりあえず今はしないかな」
よ。よかった…
でも、また不穏な雰囲気…
「先生…何してんねん?おしり冷たいねんけど」
「冷やしているんだよ。小児科仕様だがね、きみは注射で泣いちゃうみたいだから、特別だよ」
「…なんなん…またおしりに注射するつもりなん?」
「肩でもいいが…どうする?」
「まだ、おしりのが痛ない…恥ずかしいけど。でも、いやや」
「すぐ済むよ」
「すぐでもやーっ」
「あー、ほらほら興奮しないよ?雅宗」
ウィーン…
「瀬谷先生、周防は?」
「うん、ここに。鎮静坐薬をいま挿れたからちょっとご機嫌ななめだ」
「これ、わざわざ冷やして?」
「そう、お子さま仕様だね」
「これじゃ…逃走したお仕置きにならない。瀬谷先生は甘いですよ」
瀬谷のご丁寧なケアにおもしろくなさそうに佐渡は雅宗の尻たぶをペチンと打った
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