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佐渡 お怒り 2
手招かれた牟呂は、瀬谷の言いたいことを察し周防の顔の前にしゃがみ
周防をなだめようと頭を撫でた
「むーちゃんよしよし。そう怒んないの。涼木くんびっくりして固まってるよ?」
「え…あ、そうですね。ご機嫌なおしてください、先輩」
「おーい涼木ぃ…おまえはこっち」
佐渡は親指を立てて薬品棚を差して涼木を呼びつけ注射器を渡すと周防の足首のすぐ上あたりに座り
「よし。いけっ」
「え?これって…俺が打つの?佐渡先生が打つ流れですよね?どうみても」
「嫌がる子に打つ練習。看護師7年だか8年やってても少年棟所属になってからほとんど経験ないだろ?やれ」
「う…はい……」
「え…涼木くんに俺、打たれんの?なんか恥ずいやん。いやや」
「雅宗、おまえは誰が打つんでもいやだろうが」
「せやけど…けど…涼木くん、見んといてー」
「見なきゃ打てねーだろうが。涼木、針刺しだけは気をつけろよ。足は俺が手は瀬谷先生が掴んでるけどとんでもない暴れかたしやがるのもいるから」
「分かりました」
「う〜っ涼木くんの裏切り者〜っ」
「裏切ってませんよ。はい、チクってします」
「はぅっ!!い〜〜っ涼木くんのあほーっ。涼木くんが便秘んなったらほじったるからな!覚えとけっ」
「いや…快便なんで…次、反対いきます」
「んい゛っ…ズルいーっっ、ほんなら導尿カテ挿れさせてやっ!それで手を打ってやんで」
「あ、いえ…それもやってくれる相手はいるんで」
「この浮気ものーっ」
コントのような2人のやりとりに牟呂と瀬谷は笑いをこらえ、佐渡はムスっとした表情で2人を眺めていた
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