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怒怒縁さんに電話

時刻は17時30分…時間に気付き佐渡は突然、内視鏡室から飛び出ていった。 更衣室に向かいながら公休日で自宅にいる紫藤に慌てて電話をする佐渡だったが紫藤はなかなか出なかった。 出ろ…出ろ…縁っ 何度目かのコールの後、ようやく電話が繋がり 〝今、あなたの時計は何時ですか?〝 「すまない…縁。急な治療で…っっ」 〝で?〝 「雅宗が尿路結石になって、てんやわんやだったんだ。電話を忘れて悪かった」 〝まさむね…?は?〝 「あ、いや…だから周防雅宗!看護師の」 〝いつから下の名を呼ぶ関係に?苗字で呼ぶのは味気ないと私の名を呼んでますけど、同じ理由ですか?〝 「違うっ。落ち着け」 〝定時の17時に帰れば20分には家にいるはずです。違いますか?〝 「その通りだ。けど、治療が…っ」 〝なんであなたが?そもそも本当に彼は発症しているんですか?〝 「どういう?まさか、浮気を疑って!?あいつと俺が?あるわけないだろうがっ」 〝Mだから分かるんです。彼もMですよ。あなたの嗜虐心(しぎゃくしん)をそそるのでは?〝 やばい…やばすぎる 相当お怒りだ… おとなしくいい子で待っていたんだろう 俺が帰るのを… 1回怒らせるとなだめるのは…かなり厳しい しかも、疑ってる… まずいな どうする…

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