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はじめて約束を破った日 2
琢磨さん…ごめんなさい
私は今から約束を破るー
琢磨さんが出勤をしてから1人で家を出て
かつてのいつもの街へと繰り出した
少し道を歩けば昼間でもすぐに声がかかる
年下よりは年上がいい
うんといじめて…いやと言うほど甘やかしてくれるような人
あたたかな手で触れてくれ、冷たい道具で私を罰してほしい
まさに琢磨さん
今、琢磨さんがほしい
でも、琢磨さんは今仕事中だ…
仕方ないことだと頭で分かっているのに体が追いつかない
捨てられるかもしれない。でも、もっと構ってくれるかもしれないから
私は…見ず知らずの他人とホテルに入った。
たくさんの跡をつけさせ、ナカに出させ…何度もイかせてもらい可愛いがってもらった
束の間とは言え一瞬満たされる。
でも、淡く儚い…すぐにまた不安になる。
男がホテルから出ていって紫藤は1人で身を清めた。
時刻はすでに17時20分ー
電話にはたくさんの履歴がついた
ちょっとだけ嬉しい
でも、出れない…怖いです
「これで…ほとんどの約束を破りました」
どうしようかと悩みながらホテルを出て30分ほど歩くと、いきなり手首を掴まれた
「…っ」
驚いて振り返ると青筋を立てて怒る琢磨さんが立っていた
「琢磨…さん…っどうして場所が…」
「見守りGPS」
佐渡の言葉に紫藤は電話を手に取りアプリを見るといつの間にか入っている
「いつの間に…」
「舐めるなよ…縁。どれだけ心配したか…」
「私の休日です!私がどのように過ごそうとあなたには関係ありませんっ」
「1人で出かけない。約束したはずた。どうしてこんなとこにいる?まさか売りを?言え」
「言いません」
「縁っ」
「だったらなんなんですか!」
「もういいっ。後は家に帰ってから聞く。帰るぞ」
そのまま腕を引っ張られ引きずられるようにして歩くと紫藤は堪らず声をあげた
「痛いっ!腕が抜けますっ!肘内障になるっ」
「子どもじゃないんだ。そう簡単にはならん」
「私は繰り返しなってます!歩きますから離してくださいっ」
「いっそなった方がいいかもしれん。そうしたらさすがのお前も痛みで何もできないだろう?」
「い…イヤ」
まさか、しないとは思うがその発想が恐ろしい
泣きそうになっていると、手を離された
変わりに無言で手のひらを向けられる
手を繋げーそう言う意味のようだ
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