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宵さん 熱発
体温計が示す温度に奈南は目を見開いた
「え?」
「いくつだ?」
「37.5度ですね」
「微熱か…血圧は?」
「170/80…高い…ですね」
「宵…首、いいか?」
「ん…」
祖父江は真尾の首の後ろを触り、頭を抱え
「硬いな…なんでだ…どこで」
「先生?」
「発熱、高血圧、首の硬結 と言ったら?」
「な…それって髄膜炎?どうして…」
「可能性は高いな」
血圧計を外しながら奈南が青ざめていると宵が口を挟み
「やめてください…気のせいです。一度に職員がこんなにバタバタ倒れるなんて前代未聞です。たかが熱で大げさです」
「宵、信じたくない気持ちも分かるが事は一刻を争う。おまえもよく知っているだろう?」
「寝てれば治る」
「頭が痛いんだろう?他には?」
「違います!小児科でよくある病気になんで僕が?」
「紫苑と週末に遊んだろう?たぶんそこだ」
「そんなの紫苑くんのせいみたいじゃない!とにかく違う!だいたいそんな病気になったら何日入院すると思って!!」
真尾の攻撃性が増し、祖父江にパンチを繰り出そうと真尾が手を振ると祖父江はその手を掴み
「易怒性 あるな…手が冷たいから熱がまだあがるぞ……」
「大丈夫です!僕の体なんだから大丈夫かどうかぐらい僕自身でわかります…っ」
「宵、落ち着いて」
「落ち着いてる!っぅ…ぅ〜…っふ…ぇ…っ」
「あー…ちょ、なんでまた泣く」
「こんなに言ってるのに信じてくれないんだもの」
「信じる信じないも心配してるんだ、宵。分かるか?」
「分かんない…ぐす…っ。家、帰れないのやです」
「その心配か?」
「置いて帰ろうとしているでしょう?実継さん」
「大丈夫だ」
「本当に本当?」
あらま…また2人の世界…愛し合うっていいなぁ
奈南が羨望の眼差しで2人を見つめていると奈南の電話に着信が入り
🎵〜
「あ、すみません。ぼくの電話が…瀬谷先生?なんで…。もしもし?」
電話を切った奈南は電話をしまい
「なんか…急患?みたいで…行ってきます」
「しばらくステーションにいるから気にせず行ってくるといい」
「ありがとうございます」
って…礼は言ったものの、宵先輩泣いたまんま…心配なんですけど……
奈南は後ろ髪をひかれながら内視鏡室へと急いだ
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