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祖父江 来たる

奈南に呼ばれて内視鏡室へと来ると、ヘタレ状態の涼木がエネマグラを紫藤に突きつけられて顔を引きつらせていた 「む…無理です。挿れられませんっ」 「困ったねぇ」 「深く考えるからいけないんです!言うならばそれは薬ですよ。さっさとやりなさい!」 「紫藤先生…怖いですよ…。紫藤先生が挿れてみたらいいじゃないですか」 「気持ちよさは知っているから必要ありませんっ」 「え…いま、さりげなーく、すごいこと言いませんでした?」 「いいえ。挿入が嫌すぎて幻聴では?」 「なんだ?エネマグラの挿入拒否か?」 「実継、悪いね。呼び出して」 「宵をあっちに残して来たからさっさと終わらす。ローションよこせ」 紫藤からローションを受け取ると祖父江は指を濡らし、左手で涼木の動きを封じると2指まとめて涼木のナカにねじこんだ 「ぁああーっ」 「ん?なんだ未経験か?」 「違うよ、実継。彼は挿れられることに慣れていないだけだ。ちなみに、自分がタチという自覚があるらしくてね、自分が挿れられるというこの状況に混乱しているようだよ」 「タチね…。しかし、硬いな。エネマグラを挿れるならもう少し解した方がいい」 「は…ぁ…ちょ、やめ…っいたーーぁい」 「力を抜け。食いちぎる気か?」 「も、やめ…みんなして…いじめないでください…っ」 涼木の態度に紫藤が、イラッとした表情を見せて歩き出し 「帰ります」 「紫藤?待て」 「こちらは…はぁ…は…っ、病を治そうとしているのにそんな言われよう…ゴホゴホ…傷つきました…っ心外です!」 「そう興奮するな。えーと、瀬谷先生に祖父江先生?後をお願いしても?」 「構わないよ。それだけカリカリしているのに紫藤の顔色がよくないのが気になるね」 「喘息もちか?後、貧血ぽいな。呼吸状態もよくない。診察して吸入をしてから帰ったほうがいい」 「分かりました。ありがとうございます。紫藤行くぞ」 「はい」 紫藤は素直に返事をし、佐渡とともに内視鏡室から退室した。

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