786 / 1215

縁さん 咳が止まらない

「縁…待て。待てって!」 「ごほ…っ…もう疲れたから帰りたいです。ごほごほ…っ」 「簡単にでいい診てからにしよう。後、吸入の煙を吸った方がいい。咳が…」 「大丈夫…けほ…っ」 「喘息なのか?だとしたら吸入薬持っているか?」 紫藤は頷き、首を横に振った 「む…かしは…喘息でしたけど…成人してからは…ごほ…出て…な…っかった」 おかしい… 成人してからは、滅多に病気なんてしたことありませんがこれは…熱が出る前触れにも感じる なぜ? 今頃、琢磨さんに愛されて幸せに寝ているはずなのに… 周防に邪魔されたー かと思いきや、予想だにしない涼木の治療… 早く帰りたい… 「琢磨さん…」 振り返って佐渡に抱きつき甘えると、佐渡の額が紫藤の額にくっつけられた 「熱い…。それより、そんな大胆な行動していいのか?」 「知りません。眠いです…」 「ちょっとやっぱり処置1行くぞ。いつもと違う気がする。変だ。診察してやる」 「大げさです。寝たら治ります」 「いいから」 無理矢理誘導させられるとベッドに寝かされ、体温と血圧、酸素飽和度を測られた 「やっぱり高いな…38度。血圧は…100/65やや低いし脈は103…早いな。spo2も低い」 「ゴホゴホ…疲れただけですよ。心配しなくて大丈夫です」 「しかし…採血だけしておこう?ついでに点滴も」 「…はい」 紫藤は素直に佐渡に腕を差し出した

ともだちにシェアしよう!