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怖いよ みぃ怯える
一方、祖父江が内視鏡室に着いた頃ー
「千歌くんが起きちゃわないといいけど…」
ベッドに降ろそうとすると甘え泣くような声を未羽はあげ
「っゃ…っぅ…ふぇー……やぁっ」
「未羽くん大丈夫だよ?いっぱい触られたから疲れたね?寝ようね」
「怖いよ…1人にしないで」
奈南は未羽をベッドに寝かせて布団をかけて、トントンとリズムを取り
「タッチングで眠るかなぁ…小児科の子たちはこれで数分もすれば寝ちゃうけど…」
「せんせ…っ…さくませんせ…は?」
由宇を呼ぶ未羽に奈南は首を傾げ
「そんなに懐いてたかな?」
「せんせ、いない?」
「どうしたの?うん。今、先生はいないよ?ぼくしかいない時間だからごめんね?未羽くん」
「帰りたい…」
「そうだよね。みんな帰りたいよね。ぼくもお泊まりだから頑張ろうね」
「頑張れない…痛いばっかりでやだ」
「うん」
トントンだけでは寝なさそうな気配に奈南は未羽の手を握り
「側にいるよ。大丈夫だよ。怖くない怖くない」
なんだろう?眠いのもあるんだろうけど、未羽くんの体全体が心なしか熱い…
まさか…とは思うけど、小児科の子たちみたいにこれから熱が出るからグズってる?
熱…何度だ?
測ると38.3と出た。
「氷…」
ご機嫌も悪くなるはずだ。38度あったらしんどいよね
「未羽くん?氷まくら作ってくるからちょっとだけ待てれるかな?もし、寝ちゃえるなら寝てもいいからね?」
「うん」
奈南は氷まくらを作りにステーション内にある処置ブースに小走りで移動した
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