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みぃ 師長を心配する
涼木がエネマグラに悶 えている頃ー
「師長さん、大丈夫?注射怖くない?」
「んー…そうですね…実を言うとちょっと怖いです。あまり注射は好きじゃありませんから」
「じゃあ手、握っててあげる」
「ありがとう。未羽くんは優しいですね」
「師長、話を割りますがアルコール消毒は?」
「大丈夫です」
「じゃ。いきますね」
紫藤は真尾の腕を消毒し、点滴の針を迷うことなく刺した。
「…ん」
「はい、いいですよ。楽にしてください。点滴本体と繋いでいきます」
「紫藤先生、注射うまくなりましたね?迷いもなく鮮やかです」
「おかげさまで。学生の頃は不得意でしたけど師長に腕をお借りした甲斐がありました。感謝します」
「なんか改めて言われると照れますね…。さ、次は未羽くんですね?手、握っててくれててありがとうございます。お返しに僕も握ってますね」
「う、うん」
未羽を声を震わせながら頷き真尾の手を握り返した
「未羽、消毒大丈夫な子でしたね?」
「うん」
「いきます」
真尾にしたのと同じように針を刺すと、未羽は目を閉じてビクッと体を揺らし
「…っ…」
「おびえなくてもちゃんと血管に入りましたから動きませんよ?そのまま…」
「うん」
「繋いだらおしまいです。はい、おしまい」
おしまいの声に反応して目を開けると未羽は喜び
「痛くなかった!」
「それはよかった。私も向こうで少し休みます。未羽、あなたも休むんですよ?」
「分かった」
紫藤がいなくなると未羽は紫藤の言うことを聞いて目を閉じた
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