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奈南の告げ口(周防&牟呂)

周防の部屋に入るとまだ周防は寝ている様子だった。 「牟呂、周防はどんな感じ?」 「見ての通りかな?夜中も起きることなくずっと寝てます。起きるか不安になるくらい寝てる」 「そのうち起きるよ。牟呂も少しは休めた?周防のことは病院に任せればいいから頑張りすぎると自分が倒れちゃうからね?そしたら周防が起きたときに悲しむよ?」 「ですね」 「牟呂、あのさ…休めと言っておきながら言いにくいんだけど…ちょーとお願い頼まれてくれないかな?」 「え?内容によるかも…」 「涼木大雅をさ、助けてほしいんだ」 「は?涼木ってうちの看護師の涼木?いったいどういうこと?」 「そう、その涼木。ぼくも先生たちから頼まれたんだけどね?治療にやる気を見せてくれなくて困ってるそうなんだよ」 「治療ってなんか病気なんです?」 「慢性前立腺炎」 「あー…以前、急性ので入院しましたね。慢性になっちゃったんだ」 「そうなんだよ。さっき由宇くん…佐久間先生にはお願いしたんだけどね。彼、まだ体調不良だし」 「んー…あんまり気乗りしないけど先輩からの頼みだしなぁ…」 「やってくれる?」 「でも、涼木くんを犯す趣味は俺には無いから優しくできる自信ないですよ?」 「問題なし。遠慮なくやっちゃえ」 「そういうことなら頼まれました」 牟呂は頷き、仕事に行くため奈南と一緒に周防の部屋から出て行った。

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