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道と大雅 はじめての日
詩乃さんのいない夜はつまらない。暇だー
今頃、仕事大変なんだろうなぁとは思いつつ、静かに帰りを待つなんてことはできない性分だから、ついついきらびやかな世界へと足が進み
刺激を求めて夜道を散歩していると自然とその足がここにたどりつく
カフェ〝M's〝
いわゆるゲイの出会いの場ってやつ、、
その日もいつも通りカウンター中央に座った。
ふと、目についたのはカウンターの隅に座る涙ぼくろがセクシーな青年…
18歳に到達してるのか?
気になった俺は席を移動し、話しかけてみた。
「隣いい?」
「あ、はい」
「ここ、よく来る感じ?」
「はじめて…かな。おにーさんは?」
「俺は週1か2ってとこ」
「じゃ、詳しいですね」
「詳しい…かどうかは分からないけど、18歳未満は出禁なんだよな、ここ」
「?」
「あれ?てっきり高校生かと…」
「あはは。ありがとうございます。もう20歳で大学に行ってます」
「若く見えるな。ちなみに名前は?」
「みち…」
「俺は大雅だよ」
そんな風に会話は進み、とんとん拍子に道のお持ち帰りに成功した。
内心、ドキドキが止まらない
こんなに高揚した気分になるのはいつぶりだろう?
詩乃さんを口説いた時以来か?
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