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くまさん
「先輩、協力してください。可愛い部下でしょ?涼木もぼくも。可愛いくないですか?」
「もちろん可愛い…ですけど。僕でできるでしょうか?」
「前立腺マッサージはできますか?師長」
「一応、レクチャーされてますからひととおりは看護師みんなできますよ」
「じゃあ、あなたの入院中涼木に目を光らせておくといいです。入院の目的ができたじゃないですか」
「紫藤先生ーっ。患者さん来ました」
「今、向かいます。…来たようなので行きます。また後ほど」
紫藤は少年外来へと戻っていった
「さ、先輩?車椅子乗りましょうね?」
「う…分かりました」
車椅子に大人しく真尾が乗ると少年棟へと奈南は車椅子を押し、真尾は横に付いて歩く祖父江の袖を引っ張った
「実継さん…くまさん」
「分かった。夕方までに持ってくる」
「赤いバンダナがいいです」
「分かった。赤いバンダナに付け変えて、くま持ってくるから」
「くまさんです」
「はいはい、くまさんな?」
「くま…くまって2年くらい前に先輩が入院した時に瀬谷先生がくださったっていうアレですか?」
「うん」
「…う…。なんか宵先輩、逆に涼木に襲われそうで怖いかも…」
「僕はそんなヤワじゃありません」
「奈南、心配しなくていい。宵の蹴りは凄まじいから」
「え…あそこ蹴りするんですか?先輩!そんな痴漢撃退法身につけてたなんてっ。さすがです」
「詩乃…あそこ蹴りなんて言ってないです。そりゃ護身術くらいは明にぃに言われて習いましたけど…」
「護身術…初耳だ」
祖父江ははじめて聞いた情報に驚きの表情を浮かべた
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