829 / 1208

怒ると怖い詩乃さん

奈南は涼木のベッドの端に座り、涼木はその下の床に正座で座った。 「大雅さ、いったい何を考えているの?」 「詩乃さんこそ…待ち伏せとかずるくない?」 「治す気ある?」 「あったとしてもネコの詩乃さんにされるとかごめんだから。ただでさえ道隆で手を焼かされたって言うのに勘弁してよ」 「ナニソレ?」 「こいつが…っ」 カバンからエネマグラを取り出し、床に放り 「カバンから出てきて、道に慢性前立腺炎だって説明せざるをえなくなったんだよ!」 「つまり…ミチタカにはやらせたわけ?」 「必然的に。あいつ、医者の卵だから治すって張り切って…仕方なく」 「ふーん…ミチタカはよくてぼくはダメと?」 「違っ!道にされたのは計算外で……」 「傷つく!」 「詩乃さん、道に言うつもりはなかったんだって!信じてっ」 「だから?それについてはむしろ感謝?」 「へ?」 奈南の言葉の意味がわからず、涼木は目を点にし 「大雅、痛いのも恥ずかしいのもするのは好きだけど、されるのは嫌いだもんねぇ?自己トレーニングするわけないと思うから、1人でも多く協力してくれる人が必要だと思うの」 「つ、つまり?」 「逃げ場は無いと思ってね?」 「ど、どういう?」 「そのうち嫌でも分かるよ。ここ最近、ぼくをないがしろにしたのを後悔してね?」 「し…詩乃さん…怖いよ…」 「今頃知ったの?ぼく、怖いよ?」 「うー…謝る!謝るから」 「言葉より行動で示して?」 「…と、言うと?」 「脱いで?」 「ま…マジ?」 「さん…にーっ」 「わぁっかった!脱ぐっ脱ぎますっ」 涼木は意を決して上着を脱いだ

ともだちにシェアしよう!