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怒ると怖い詩乃さん
奈南は涼木のベッドの端に座り、涼木はその下の床に正座で座った。
「大雅さ、いったい何を考えているの?」
「詩乃さんこそ…待ち伏せとかずるくない?」
「治す気ある?」
「あったとしてもネコの詩乃さんにされるとかごめんだから。ただでさえ道隆で手を焼かされたって言うのに勘弁してよ」
「ナニソレ?」
「こいつが…っ」
カバンからエネマグラを取り出し、床に放り
「カバンから出てきて、道に慢性前立腺炎だって説明せざるをえなくなったんだよ!」
「つまり…ミチタカにはやらせたわけ?」
「必然的に。あいつ、医者の卵だから治すって張り切って…仕方なく」
「ふーん…ミチタカはよくてぼくはダメと?」
「違っ!道にされたのは計算外で……」
「傷つく!」
「詩乃さん、道に言うつもりはなかったんだって!信じてっ」
「だから?それについてはむしろ感謝?」
「へ?」
奈南の言葉の意味がわからず、涼木は目を点にし
「大雅、痛いのも恥ずかしいのもするのは好きだけど、されるのは嫌いだもんねぇ?自己トレーニングするわけないと思うから、1人でも多く協力してくれる人が必要だと思うの」
「つ、つまり?」
「逃げ場は無いと思ってね?」
「ど、どういう?」
「そのうち嫌でも分かるよ。ここ最近、ぼくをないがしろにしたのを後悔してね?」
「し…詩乃さん…怖いよ…」
「今頃知ったの?ぼく、怖いよ?」
「うー…謝る!謝るから」
「言葉より行動で示して?」
「…と、言うと?」
「脱いで?」
「ま…マジ?」
「さん…にーっ」
「わぁっかった!脱ぐっ脱ぎますっ」
涼木は意を決して上着を脱いだ
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