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感情移入
奈南は涼木の涙をすくいとり
「なんで大雅が泣くの?」
「詩乃さんが泣かないから」
「もう泣く必要が無くなったからだよ?」
「え?」
「今は寂しさは大雅が埋めてくれる。だから平気です」
「詩乃さん…ごめん」
「?」
「詩乃さんの悲しい過去のおかげで今の俺との関係があると思うと…うまく言えないけど詩乃さんとこうはならなかったと思うんだ。詩乃さんにとっては悲しかったかもしれないけど、その過去に感謝しちゃう…ごめん、こんな考え方して」
「じゃあ意味があったってことなのかなぁ、あの数年間」
「うん、少なくとも俺にはあった。もし…だけど再開したら復縁したいとかないの?」
「そ…それは…気まずいよ。宵先輩のお兄さんなんだよ?」
「嫌いになっちゃったの?明さんのこと」
「好きだよ、今でも好き。けど、もう終わったことだから」
「でも…」
「でも…?」
「なんでもない…」
「何それ?気になります」
「詩乃さんがイヤじゃなかったらミチタカと出会ったカフェに行きませんか?」
「は?意味不明…」
「いろんな人間がいるんです!実を言うと言語聴覚士のみかちゃん先生とか、向こうは気づいてないけど周防先輩と牟呂先輩、他にも見かけてるんで…そういうえっち目的の人もいるけど見せ合いっことか、もちろん会話だけの人もいて、いろいろ話を聞いてくれるし逆にいろいろ人の話を聞けるし見解が広がりますよ」
「それは…もしかするとM'sですか?」
「なっ!知ってるんですか?」
「別れ際に教えてもらったんだよ、明さんに」
「え…出入りしてるんですか?その人。名前、聞いたことないですけど…」
「今は行ってないのかもね、知らないけど」
「で、行ってみます?」
「行かずにイヤだって言うのは失礼だよね。社会見学のつもりで1回だけ付き合うよ」
「じゃあ決まりで。詩乃さん突いていい?」
「はい…んんぁっ!…ぁ…あっ」
返事をするなり激しく突きあげられて奈南はとめどなく喘ぎ声をあげた
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